「病院で待っているだけでは、間に合わない」
ある日、診察室で私は思わず立ち上がり、心の中で叫びました。「病院で待っているだけでは、間に合わない」。十数年間、整形外科医として多くの患者さまと向き合ってきたなかで、徐々に、しかし確実に積もっていった違和感でした。
診察室で目の前のお一人おひとりに向き合い、できる限り誠実な医療を提供してきたつもりです。それでも、病院の外にはまた新しい患者さまたちが待っている。次から次へと続く、痛みや不調を抱える方々の終わりのない流れに、私は違和感を覚えるようになりました。
「身体の診療科」で聞こえてきた心の声
整形外科は「身体の診療科」です。それなのに、どう見ても精神的な負担が背景にあると感じられる方がとても多い。「体のケア」だけでは届かない領域があると、現場のなかで痛感していきました。
人は目の前の身体的な不調に意識を向けがちですが、その根っこには、しばしば心の声が潜んでいます。しかも、それはご本人ですら気づきにくいことが多いのです。慢性的なストレス状態にある方の多くは、ご自身では「問題を抱えている」と認識していないことがあります。だからこそ、外側からのアプローチだけでは届かない領域があると、強く意識するようになりました。
目指していたのは「真の健康」だった
どれほど技術を尽くしても、ご本人が「生きづらさ」や「ネガティブな感情」「思考のクセ」を抱えたままでは、本当の意味で健やかさを取り戻していくのは難しい。そう感じた瞬間に、気づきました。自分が目指していたのは、単なる症状への対処ではなく、「真の健康」だったのだ、と。
無意識に抱えているストレスや精神的な負担が、やがて身体の不調として現れる。この構造に向き合わない限り、ケアを重ねても、同じ悩みが繰り返し戻ってきてしまうように感じていました。
病院を出る決意と、スラトレ®に込めたもの
「では、私はどこまでやるべきなのか?」。そう問い続けたとき、私は病院を出る決意をしました。本当に目指したかったのは、患者さまが「ご自身の力で」健やかさを取り戻していくことだったからです。
病院という場では、限られた時間のなかで医療行為を提供することはできても、ご自身の人生を整えていく長い道のりを伴走することは難しいと感じていました。だからこそスラトレ®では、知識を一方向に伝えるのではなく、受講生のみなさま自身が「変化を実感し、自ら成長していける場」を整えることを大切にしています。簡単な道のりではありませんが、病院時代とはまた違う、深いやりがいを日々感じています。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。