答えではなく、問いが返ってきます
どうしたらいいですか、と聞くと、どうしたら楽ですか、と返ってくる。スラトレ®の場では、この形がよく起きます。
最初は戸惑う方が多いそうです。教わりに来たのに、質問で返されるのですから。ただ、この返し方には理由があります。
同じ動作でも、楽な形は人によって違います
ボールを投げる、という動作があります。脇を広げたほうが投げやすい人がいて、閉じたほうが投げやすい人もいます。指のかけ方も、肩の使い方も分かれます。骨や関節の形が一人ずつ違うのですから、当然のことです。
ところが指導の場面では、脇を開けて、こう投げて、と一つの形が示されがちです。すると、本当は閉じて投げたい人が、開けて投げることになります。小さな噛み合わなさが積み重なり、やがて練習そのものから離れていく。よくある流れです。
このとき、やめた人は自分に向いていなかったと考えます。実際には、渡された形が合っていなかっただけということもあります。合わない形を続けられなかったことと、その分野に向いていないことは、別の話です。
ぴったり来る位置は、わずかなずれで変わります
分かりやすい例があります。腰を痛めたとき、こたつで寝るなら腰の裏にスポンジを入れると楽になる。ただし、その位置が1センチずれると、そこではない、という感覚がはっきり出ます。
考え方の扱いでも、同じことが起きます。しっくり来る形は人ごとに違い、しかもわずかな差で変わります。指導する側が正解を持っていて渡す、という形では、この差を拾えません。
痛み止めを先に飲んでから横になる人もいれば、横になってみて、それでも駄目なら飲む人もいます。好みの問題ではなく、その人にとって自然な順番の違いです。
そして、この順番は本人にしか分かりません。外から見て正しそうな順番と、その人が実際に楽になる順番が、一致しないことがあるからです。だから、聞くという形をとることになります。
渡した答えは、続かないからです
理由はもう一つあります。答えを受け取り続けているあいだは、渡してくれる人が必要な状態が続きます。渡し手がいなくなると、そこで止まります。
自分で見つけられるようになれば、あとは一人で続けられます。スラトレ®が向かっているのはこの地点です。だから、答えを渡すかわりに、どうしたら自分は楽なのかを一緒に探す形をとっています。
もっとも、これは放っておくこととは違います。わずかなずれを一緒に調整していく作業が要ります。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。