──いま、自分の頭で“ものがわかる”とは何かを問い直す一冊です。
Dr.EKOのリアル体験コラム
アメリカ横断と、価値観の逆転──メディアでは伝わらない「本当の暮らし」
2016年、日本からアメリカへ。
そして2019年、カリフォルニア州からペンシルベニア州へ。
アメリカで最もリベラルな地から、最も保守的な地域への移動は、単なる引っ越しではなく、「世界の見え方が変わる」体験でした。
スタンフォード大学のあるシリコンバレー(世界一土地代が高いエリア)から、ピッツバーグ近郊の、土地も暮らしも“広くて安い”場所での暮らしへ。
それは、<!-- 指示語OK -->
- 平均年収が全米トップから、全国平均を下回るエリアへ
- 民主党の牙城から、共和党(トランプ支持)の中心地へ
- ライフスタイルも教育も、まるで真逆の社会システムへ
ある日、ピッツバーグのダウンタウンで、アメリカ国旗と「TRUMP 2020」の旗が力強く振られるパレードを目の当たりにしました。
ほんの数週間前までいた“カリフォルニアの理想郷”との落差に、私はただただ立ち尽くしました。
テレビで見てきた「アメリカ」は、そこにはなかったのです。
貧富の差、教育の格差、価値観の分断──そのすべてが「現実」として、目の前にありました。
郊外の暮らしと、“本当の豊かさ”への問い直し
現在は日本に戻り、郊外の地で家庭菜園をしながら暮らしています。
「自給自足」なんて立派なものではなく、本当にささやかなものですが、自分で育てた野菜を自分で料理するという生活が、これほどまでに心と体に優しいものだったとは──。
テレビのない暮らしを選び、代わりに「自分の目で見る」「選んで知る」生活をしています。
それでも、国内外で起きていることを知るたびに、心が痛みます。
「なんとなく生きてたら、いつの間にか不健康になっていた」
- 仕事を頑張っているだけなのに、体が壊れていく
- 近所のスーパーで買ったお惣菜を食べ続けていたら、体調が乱れる
- コンビニで“いつも通り”の夜食を買っただけなのに、内臓が疲れる
そんなことが、「普通」になってしまった時代に、私は気づきました。
健康も安全も、気づけば“誰もが得られるものではない”、「高級品」になっていたのです。
数年の海外生活から戻ったからこそ、より強く実感しました。
あれ?昔の”日本らしさ”どこいったん?って。
書籍紹介:『ものがわかるということ』養老孟司 著
著者について
養老孟司氏──解剖学者としての立場から、“現代を生きる知”を問い続けている思想家。
『バカの壁』の著者としても知られています。
「臨床をしていないから、医師ではなく“解剖学者”と名乗る」──そんな真摯な姿勢も、誠実さを物語っているように思います。
本書のテーマ
「“わかったつもり”の危うさに気づく」
──“本当にわかる”とはどういうことか?
私たちは、つい「わかったつもり」になって生きている。
この本は、「わかる」という言葉の中にある、非常に曖昧で、ときに危険な“思い込み”を問う「知」の一冊です。
印象的な一節
「わかったようで、実はなにもわかっていないことが多い。」
まさに今の社会そのものです。
SNSもニュースも、情報は無限に流れてくる。
でもその情報をどう受け止め、どう疑い、どう選ぶかは、すべて“自分の頭”にかかっています。
私の体験:「わかったようで、実はなにもわかっていなかったこと」
自分の話に戻りますが──
前述したように、日本でテレビを通して見ていた“アメリカのイメージ”は、実際に暮らしてみたアメリカとはまったく違いました。
180度違う、というのが本当に正しい表現です。
やはり、住んでみないと、体験してみないと、“わからないこと”だらけですね。
それどころか、今こうして日本に戻って暮らしている日々でさえも、「自分は本当に何をわかっているのだろう?」と、疑問が湧いてきます。
本当の意味では目的さえも分からない
例えば──
- なんのためにそんなに必死になるのか?
- なんのために体を壊して働いているのか?
- なぜ、キリのない見栄を張るのか?
- なぜ、毎日スマホを握りしめているのか?
「ものがわかるということ」というタイトルが、まるで答えのように光って見えたのです。
誰に強制されたわけでもないのに、いつの間にか“当たり前”のようにしている行動に、理由を問われると、言葉が出てこない自分に気づきます。
私がこの本に出会ったのは、ある日の帰り道。ふらっと立ち寄った本屋にて。
ひとりの現代を生きる人として、情報過多の社会をどう生きるべきか──そんな問いに立ち止まりました。
まとめに代えて──“自分の頭で考える”ための必読書
知らないうちに、「自分で考えること」をどこかに置いてきてしまった。
そんな気がしている方にこそ、読んでいただきたい一冊です。
それは、「目の前にあるものが、ほんとうに“わかっている”と言えるのか?」という、静かだけど強烈な問いを、あなた自身に返してくれるオススメの一冊です。<!-- 指示語OK -->