学んでも、上手くいかないというご相談
「パートナーシップについて、様々なセミナーや講座を受けてきたのですが、まだ上手くいかなくて」——最近、こうしたご相談をよくいただきます。一生懸命学び、実践しようとしているのに、思うような関係性が築けない。その声を聞くたびに、私たちは何かを見落としているのかもしれない、と考えさせられます。
パートナーシップという深い絆からくる豊かさは、マニュアル通りに数式で解けるものではありません。パートナーもまた一人の人間であり、自然の摂理の中で生きる存在だからです。
庭の植物は、違いを克服しようとしない
私の窓の外には、小さな庭があります。毎朝この庭を眺めながら、パートナーシップについて考えることがあります。
庭には、太陽を求めて伸びる木々、日陰を好む苔、色とりどりの花々、たくましい雑草。さまざまな植物が、互いに異なる性質を持ちながらも、決して「違いを克服」しようとはせず、それぞれが自分の方法で成長し、時には予想もしない形で調和を生み出していきます。価値観の違いや共通点も、努力して見つけ出すというより、こうして自然と立ち上がってくるもののように感じています。
科学の世界では、多くの大切な発見が、探そうとして見つかったのではなく、日常の観察や実験の中で思いがけず出会ったものでした。パートナーとの共通点も、それと同じかもしれません。何気ない朝の会話から見つかる意外な考えの一致。困難に直面した時に自然と現れる支え合いの形。日常のひとコマで気づく価値観のかさなり。「こうあるべき」という固定観念から自由であること、互いの違いを問題ではなく個性として受け止めること、予期せぬ発見をうれしい偶然として楽しめること——そんな構えが、二人の時間を豊かにしていきます。
対等と平等を、チケットで考えてみる
スラトレ®でよくお伝えしている捉え方があります。パートナーシップにおける「対等」と「平等」を、それぞれが持っているチケットのようなものだと考えてみるのです。
パートナーから何かに誘われたとき、こちらから何かを提案するとき、二人で決めごとをするとき。手元には「断るチケット」と「提案するチケット」の両方があります。パートナーにも同じチケットがあります。これが平等の権利です。そして、実際にそのチケットを使って断ることも提案することもできる立場にいること。これが対等な立場です。
チケットは常に両者が持っている。互いのチケットの価値は完全に同じ。断るチケットも提案するチケットも枚数は無制限で、使用期限はなく、何回使っても減らない。誰かの許可を得る必要も、使ったことを責められることもない。このチケットには等級も座席の良し悪しもありません。VIPでもエコノミーでもなく、ただシンプルに、同じ価値を持つチケット。それが、対等で平等な関係性のかたちだと感じています。
気が進まない誘いに頷くことが続いて、断るほうのチケットを長く使っていなかったとしても、チケットが減っていたわけでも、失効していたわけでもありません。
真面目に向き合いすぎているのかもしれません
私たちは時として、あまりにも真面目に「価値観の違い」と向き合いすぎているのかもしれません。それは、庭の中の植物に、同じ方向に育つようにと求めるようなもの。本当に大切にしたいのは、互いを信頼すること、対等な関係性を育むこと、日々の小さな発見を愛でる心、そしてお互いのチケットを尊重する気持ちなのではないでしょうか。
二人の関係性が、フリーパスのように「これがしたい」「あれを試してみたい」という自由な提案と選択に満ち、心おきなく楽しめる時間でありますように。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。