「オンラインで医師と話せる」は、一つの意味ではありません
オンラインで医療に関わるサービスを受ける選択肢は、この数年で一気に増えました。ただ、名前が似ているために、違いを正確に理解しないまま利用されていることがあります。
主なものは三つに分かれます。オンライン診療、遠隔健康医療相談、オンラインパフォーマンストレーニング。この三つは、法的な位置づけ、医療行為の有無、料金、使い方が完全に異なります。
診断するもの、助言するもの、教育するもの
オンライン診療は、医師が診断・処方を行う医療行為です。通常の対面診療と同等の法的位置づけを持ちます。医師が診断を下し、処方箋を発行でき、保険適用の場合が多く、厳格な本人確認とセキュリティ要件があります。初診には制限があり、原則として対面診療の経験があることが前提です。慢性疾患の定期受診、軽症の感冒や皮膚トラブル、通院が困難な高齢者や遠方の居住者に向いています。
遠隔健康医療相談について、厚生労働省は「情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為」と定義しています。医学的助言は行いますが、診断は伴いません。処方も行いません。保険適用外の自由診療で、受診すべきかどうか、どの診療科かの判断支援が中心になります。症状があるが受診を迷っている、複数の医師の意見を聞きたい、検査結果の見方を聞きたい、という場面に向いています。
オンラインパフォーマンストレーニングは、医療行為を一切行わず、医科学的根拠に基づいた健康増進・予防・教育のプログラムです。法的には医業類似行為ではなく、健康増進サービスにあたります。診断も処方もせず、自分の状態を知り、予防・改善する力を育てることを置いています。医師や医学博士などの専門家が設計し、自由診療で、ライフスタイル医学的なアプローチをとります。病気ではないが不調を感じる、予防的に体を整えたい、医療機関に依存せず自立した健康管理を目指したい、という場合に向いています。
軸で並べると差がはっきりします。診断と処方を行うのはオンライン診療だけ。医学的助言はオンライン診療と遠隔健康相談が行い、パフォーマンストレーニングは教育として扱います。保険が使えるのはオンライン診療のみ。主な目的は順に、治療、受診判断の支援、予防と自己管理力。続く長さは順に、症状が落ち着くまで、単発から必要時、長期的な習慣形成です。
選ぶときに確かめるのは、五つです
一つ、そのサービスは医療行為かどうか。診断や処方が要るなら、選ぶのはオンライン診療です。パフォーマンストレーニングに診断を期待するのは筋違いになります。
二つ、提供者の資格。医師、医学博士、専門医などを明示しているか。健康アドバイザーやヘルスコンサルタントといった民間資格だけの場合、提供できる範囲は限られます。
三つ、使用ツールとセキュリティ。オンライン診療なら、厚生労働省のガイドラインに準拠したシステムが必須です。LINEやZoomで個人情報を扱うのは危険な場合があります。
四つ、料金体系の透明性。初回と継続の料金、キャンセルポリシー、返金規定を明確に示しているか。強引な継続契約や自動更新は要注意です。
五つ、期待する成果。症状を治したいのか、予防したいのか、自分で管理できるようになりたいのか。目的によって、選ぶ種類が変わります。
オンラインという言葉が表しているのは提供の手段だけで、種類ではありません。
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