実は3種類以上ある——「オンラインで医師と話せるサービス」
コロナ禍以降、オンラインで医療関連のサービスを受ける選択肢が一気に増えました。しかし多くの方が、それぞれの違いを正確に理解しないまま利用しているのが現実です。
主なサービスは次の3種類に分かれます。
- オンライン診療
- 遠隔健康医療相談
- オンラインパフォーマンストレーニング(当ブログ運営者の提供分野)
それぞれ、法的位置づけ、医療行為の有無、料金、使い方が完全に異なります。
「医療行為」としての正式な診察——1. オンライン診療
オンライン診療は、医師が診断・処方を行う「医療行為」です。通常の対面診療と同等の法的位置づけを持ちます。
特徴は次のとおりです。
- 医師が診断を下す
- 処方箋を発行できる
- 保険適用の場合が多い
- 厳格な本人確認とセキュリティ要件
- 初診制限(原則、対面診療の経験がある必要)
向いているのは、慢性疾患の定期受診、軽症の感冒や皮膚トラブル、通院が困難な高齢者や遠方居住者です。
「助言」は行うが診断はしない——2. 遠隔健康医療相談
厚生労働省は、医師による遠隔健康医療相談を次のように定義しています。
「情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為」
ポイントは、「医学的助言」は行うが「診断」は伴わないこと。
特徴は次のとおりです。
- 医師が医学的知見に基づく助言を行う
- 診断や処方はしない
- 保険適用外(自由診療)
- 「受診すべきか」「どの診療科か」の判断支援が主
向いているのは、症状があるが受診すべきか迷っている方、複数の医師の意見を聞きたい方、検査結果の見方について聞きたい方です。
医学的知見に基づく「教育・予防」——3. オンラインパフォーマンストレーニング
医療行為(診断・処方)は一切行わず、医科学的根拠に基づいた健康増進・予防・教育プログラムです。法的には「医業類似行為」ではなく「健康増進サービス」にあたります。
特徴は次のとおりです。
- 医療行為はしない
- 診断・処方もしない
- 自分の状態を知り、予防・改善する力を育てる
- 医師・医学博士などの専門家が設計
- 自由診療(保険適用外)
- ライフスタイル医学的アプローチ
向いているのは、病気ではないが「なんとなく不調」な方、予防的に自分の身体を整えたい方、医師や医療機関に依存せず自立した健康管理を目指したい方、経営者・医師・アスリートなどパフォーマンスを重視する層です。
軸で並べると差がはっきりします——3種類の整理
- 診断する:オンライン診療のみ。遠隔健康相談とパフォーマンストレーニングはしない
- 処方する:オンライン診療のみ。あとの二つはしない
- 医学的助言:オンライン診療と遠隔健康相談は行う。パフォーマンストレーニングは教育として扱う
- 保険:オンライン診療は適用可能。あとの二つは適用外
- 主目的:順に、治療/受診判断支援/予防・自己管理力
- 継続性:順に、症状が改善するまで/単発〜必要時/長期的な習慣形成
消費者として選ぶときに確認すべき5ポイント
1つ、そのサービスは「医療行為」か。診断や処方が必要なら、必ずオンライン診療を選ぶ。パフォーマンストレーニングに診断を期待するのは筋違いです。
2つ、提供者の資格。「医師」「医学博士」「専門医」など、資格を明示しているか。「健康アドバイザー」「ヘルスコンサルタント」などの民間資格だけの場合は、提供できる範囲が限られます。
3つ、使用ツールとセキュリティ。オンライン診療なら厚労省ガイドラインに準拠したシステムが必須。LINEやZoomで個人情報を扱うのは危険な場合があります。
4つ、料金体系の透明性。初回と継続の料金、キャンセルポリシー、返金規定を明確に示しているか。強引な継続契約や自動更新は要注意。
5つ、期待する成果。「症状を治したい」のか「予防したい」のか「自分で管理できるようになりたい」のか——目的によって選ぶサービスが変わります。
外出が減り、対面受診が億劫になる——冬のオンライン医療利用増加の背景
冬は特にオンライン医療の利用が増える季節です。
- 外出が減り、対面受診が億劫になる
- 感染症(インフルエンザ・コロナ)で感染リスクを避けたい
- 年末年始で通常の診療所が休診
- 寒さによる関節痛・腰痛の悪化で相談ニーズ増
だからこそ、3種類の違いを理解して適切に選ぶことが、この時期特に重要になります。
「オンライン」という言葉に惑わされない——賢い医療消費者への第一歩
ここまでを並べると、次のようになります。
- オンライン診療=医療行為、診断・処方あり
- 遠隔健康相談=助言のみ、診断なし
- パフォーマンストレーニング=予防・教育、医療行為なし
- 選ぶ基準は「自分の目的」と「提供者の資格」
- 冬はオンライン医療の利用が増える——選び方の知識が役立つ
「オンライン」という言葉に惑わされず、自分が本当に必要としているサービスの種類を見極めることが、賢い医療消費者への第一歩です。
出典=厚生労働省「オンライン診療に関するホームページ」
検索して最初に出てきた画面から申し込み、話し終えてから、欲しかったのはこれではなかったと気づく。次にどこへ行けばいいのかも分からないまま、また検索に戻る。ここからは、抜けられます。
抜けたあとは、申し込む前に「これは診断が要る話か、助言が要る話か」を自分で言えます。画面の見出しではなく、資格の表示と料金の表示を見て決められます。同じ検索結果を見ても、選ぶものが変わります。