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心と体は切り離せない、を検証してきた観察の積み上げ

年齢も手術の内容もほとんど同じ二人の患者さんで、半年後の結果が違ったところから、この問いは始まりました。

公開日:2026年6月18日 / 働き方を見直す

同じ手術でも、半年後の結果が違いました

ある日の、整形外科の外来でのことです。膝の手術を終えて、リハビリの段階に入った二人の患者さんがいました。年齢も、手術の内容も、ほとんど同じ。レントゲンで見える骨の状態も、変わらない。なのに、半年後、結果が違いました。

一人の方は、痛みもとれて、以前のように歩いておられる。もう一人の方は、痛みはあまり変わらず、リハビリにも気持ちが向かない。体の状態は、ほぼ同じ。それなのに、なぜ、こんなにも違う結果になるのか。臨床に立ち始めてしばらくしてから、この種の違和感を、何度も感じるようになりました。

教科書には、こう書かれています。「結果の差は、年齢、体力、リハビリへの取り組み方が影響する」と。これは正しいです。でも、それだけでは説明しきれない何かが、明らかにありました。

医学の中を見直すほど、答えは外にありました

最初は、医学の中で答えを探しました。リハビリのプロトコルが甘いのか。術後の管理が違うのか。そうやって自分の仕事を見直しました。でも、見直せば見直すほど、答えは医学の外にありそうだ、と感じるようになりました。

患者さんの暮らし。家族との関係。自分の体をどう捉えているか。「治るかもしれない」と思っているか、「もう治らない」と思っているか。こうした、体の外の要因が、体の回復に明らかに影響している。これは、医学だけで扱える話ではありませんでした。

産業医の現場で、違和感が仮説になりました

整形外科の臨床を続けながら、産業医の資格も取りました。産業医というのは、企業で働く方々の健康を担当する医師です。腰痛、肩こり、メンタルの不調、生活習慣病。いろんな症状が、現場に持ち込まれます。

ここで、さらにはっきり気づきました。身体に現れている症状の多くは、心の状態や、職場の状態と、つながっているということです。腰痛で困っている方の話をじっくり聞くと、上司との関係の話が出てきます。肩こりがひどい方の話を聞くと、家庭での役割の重さが出てきます。メンタルの不調を訴える方の手前には、いつも体のサインがあります。

診察室で感じた違和感が、産業医の現場で、明確な仮説になっていきました。「心と体は、切り離して扱えない」。これを、本気で検証してみたい、と思うようになりました。

仮説を方法に落とすときに、置いた線があります

仮説を立てるだけでは、医師として無責任です。仮説は、誰にでも使える形に落とし込まなければ、ただの個人の経験談で終わってしまいます。そこで、心と体の統合を、ひとつの方法に落とし込む作業を始めました。体の動きを通じて、思考の癖を整える。逆に、思考の整理を通じて、体の反応を整える。「心が先か、体が先か」という二択ではなく、両方を同時に扱う形です。

ここで一つ、お断りしておきます。これは、「これをやれば必ず良くなる」と断定するための方法ではありません。自分の心と体の状態を、自分で整えるきっかけを作るための方法です。判断の主体は、あくまでも、その方ご自身。私たちは、その判断の材料と、整えるための入口を、お渡ししているだけです。

会社を持ってからの経営の現場でも、同じ問いが立ちました。経営判断、組織運営、人との関わりは、一見「頭の仕事」に見えます。でも見えてきたのは、経営者の体の状態が、判断の質を直接、左右するということでした。疲れているときの判断は、必ずどこかが偏ります。心が乱れているときの会議は、必ず空回りします。

スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。