一つだけ整えても、戻ってしまうことがあります
運動を始めた。食事を変えた。それでも、しばらくすると元の状態に戻ってしまう。そういうことがあります。
健康を一つの領域の問題として扱うと、こうなりやすいようです。世界保健機関は、健康を肉体的・精神的・社会的に満たされた状態と定めています。体だけでなく、心と、暮らしの側も含めた言い方になっています。
人を部分の集まりではなく、全体として見る。この見方は、全人的アプローチと呼ばれています。英語ではholisticという語が当てられます。
三つの領域は、互いに動かし合っています
見るのは三つです。からだは、体そのもの、姿勢、睡眠など。こころは、感情や考え方、ストレス、人との関わり方。生活は、環境、習慣、時間の使い方です。
三つは別々に置かれているようで、互いに影響し合っています。向きは三方向あります。
からだから、こころへ。睡眠が足りない日は、判断が鈍くなることがあります。体を動かす時間が減ると、落ち着かない感じが強くなることがあります。こころから、からだへ。不安が続いているとき、肩の張りや頭の重さとして出てくることがあります。そして生活から、両方へ。長い労働時間は、体にも気持ちにも同時に効いてきます。人との関係の質は、気持ちの状態に直結します。住まいの環境が、眠りの質を左右することもあります。
どれか一つだけを整えても、ほかの二つが崩れていれば、元に戻りやすい。そう考えると、最初の問いは何をするかではなく、どこから手をつけるかになります。
どこを見るかを、先に決めます
からだで見るのは四つです。日常の立ち方、座り方、歩き方といった姿勢。関節を動かせる範囲。年齢に合った筋力。そして回復、つまり睡眠の質と休息のリズム。器具や特別な場所がなくても、確かめられる項目です。動かし方の原則も一つあります。強度の低いところから始めて、続けながら少しずつ上げていく。痛みや不自由のある場合でも、この入り方なら取りかかれます。
こころで見るのは、自分の感情に気づくこと、感情を扱うこと、相手の感情を読み取ること、関係を作ることの四つです。これは感情知性、英語でEmotional Intelligenceと呼ばれる考え方の柱で、心のケアを受け身ではなく練習として扱うときの目安になります。
生活で見るのは、睡眠、食事、運動、ストレス、人間関係、それに住まいや職場の環境です。組み合わせ方に正解はありません。他人の答えを写すのではなく、自分に合う組み合わせを探す過程そのものが中身になります。
いちばん低いところから、三か月
初めて取り組むときは、三つを同時に始めないほうがよい、という前置きがあります。順番はこうなります。
まず、いまの位置を点数にします。からだで四項目、こころで三項目、生活で三項目、合わせて十項目を、一点から五点で採点します。次に、三つのうち最も点数の低い領域から手をつけます。全体の釣り合いは、低いところを上げるほうが早く動きます。そして三か月続けたら、もう一度採点し、次に強くする領域を決めます。
道具はノートとペンで足ります。その日の感情と、考えていたことを書き出す。それだけでも、自分の癖に気づく手がかりになります。
一つの柱を続けても、三つを組み合わせても、進む速さは自分で決められます。この順番の意味は、健康を受け身のものから、自分で組み立てるものへ置き換えるところにあります。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。