読んだのに、自分の言葉にならない
本を読んで、分かったつもりになる。ところが、いざ人に聞かれると答えられない。使おうとすると手が止まる。この、分かったはずなのに自分の言葉にならない状態には、理由があります。
理解には段階がある、というのがスライブトレーニング®初級コースの教材にある整理です。もともとはトレーニングの指導者に向けて、なぜまず自分が体験することが大切なのかを説明したものですが、5つの段階をそのまま紹介します。
理解の5つの段階
第1段階は、知識のインプット。頭での「理解…のつもり」です。解剖学の知識を読んでも、半分以上は頭に入っていない。理論を学んでも、すぐに忘れる。リスク管理の基礎知識を得ても、実践では使えない。「わかった」と思っているだけで実は理解は表面的で、試験のために暗記しているような状態です。書籍を開くのが億劫になり、開くとすぐに眠くなるのも、この段階の特徴です。
第2段階は、実際の体験。自身の体で動きを確認し、違和感や心地よさを実感し、限界を体感します。ここで、インプットした知識と実践のギャップに気づきます。
第3段階は、腑に落ちる瞬間。体での理解に変わる瞬間です。理論と実践が統合され、「なるほど、こういうことか」という深い気づきが訪れます。体感的な理解が得られ、いままで理解できていなかったことに、初めて気づきます。
第4段階は、深い理解と納得。いままで難しかった専門書がスラスラ読める。専門用語が生きた言葉として理解できる。文献の内容が実体験と直接結びつく。第1段階で読んで理解できなかった本が、いま読むと目から鱗が落ちる。学会や研修での話がリアルに理解でき、堂々と質問ができる。実体験と理論が結びついて立体的な理解になり、説明の引き出しが自然と増えます。
第5段階は、自分の言葉で表現できる段階。指導ができる段階です。相手に合わせた具体的な説明、的確な声掛けとサポート、安全で効果的な指導、適度な時間の配分ができるようになります。
「わかったつもり」と「本当の理解」の違い
第1段階の「わかったつもり」は、本を読んで「なるほど」と思うものの、すぐに内容を忘れ、実践では使えない状態です。質問されても答えられず、人に説明できません。テスト前の暗記のような状態です。
第4段階の「本当の理解」では、専門書が物語のように読め、内容が立体的に理解できます。実践での応用が自然にでき、質問に対して複数の角度から回答でき、さまざまなレベルの方に合わせて説明できます。あいだに挟まっているのは、第2段階の体験と、第3段階の腑に落ちる瞬間です。
「苦手」は、強みになる
大切なのは、知識を安全で効果的な形として表現できる力です。まずは自分自身の体験を大切にし、そこから得られた気づきを丁寧に積み重ねていくことが、質の高い指導への近道になります。
そして、体操や運動が苦手だから、という思い込みでトレーナーの道を断念することはまったくありません。上達するまでの過程で直面するさまざまな課題は、将来の大きな財産となり、指導の際の豊富な引き出しとなって、より多くの方に寄り添える強みになります。
読むだけの第1段階から、実際の体験へ。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。