同じ円を描いている感じがするとき
また同じ失敗をしてしまった。自分は変われないのだろうか。なぜ同じ壁にぶつかり続けるのか。人生が、同じ円を描くジェットコースターのように感じられるときがあります。
私たちの脳は、経験から無意識のうちに地図をつくります。この地図が、行動と選択を静かに導いています。
地図は、三つのところから描かれます
一つめは、幼少期の経験です。家族や周囲との関係から学んだルール、無意識のうちに刷り込まれた信念が土台になります。
二つめは、体が記憶するしくみです。感情は必ず体に痕跡を残します。言葉にできない記憶を、体のほうが語り続けます。たとえば、不安な経験が胃腸の調子として現れることもあります。
三つめは、社会や文化の影響です。周囲が当たり前とする価値観や、正しいとされてきた生き方も、静かに地図に描き込まれていきます。
体のほうが先に出ます
私たちの体は、いつも正直です。言葉で隠そうとしても、体のほうは語り続けます。スラトレ®では、この体の声に耳を澄ますところから始めます。
参加された方から、こんな言葉が届いています。「知らぬ間に解釈しているものだと気づきました」。「核に迫ることは難しいと感じましたが、自分でブロックをしているという気づきがありました」(個人の感じ方であり、変化を保証するものではありません)。
四十五歳の会社員の方は、自分は十分にできない、という思い込みに静かに縛られていました。気づきを語ってくださった言葉は、体の姿勢についてのものでした。
「私は常に自分を小さく見せていたんだと分かりました。気づいたら身体も丸くなり、立ち姿は猫背で、実際の身長よりも低く見えていたんです」(ご本人の個人的な感想です)。
書き換えるには、順番があります
五つの段でお伝えしています。
一つ、気づく。不安でお腹が痛む、ストレスで肩がこわばる、恐れで手のひらが湿る。こうした体のしるしが、地図の出す信号です。
二つ、記録する。いつ、どんな状況で、どの部位に変化が起きたのか。感情と体の反応を書きとめます。ここはスラトレ®ノートの一冊めに書きます。
三つ、問いかける。そのしるしは何を伝えようとしているのか。どんな地図が働いているのか。
四つ、検証する。しるしの背景にある思い込みを探り、その反応がいまの状況に本当に要るのかを確かめます。ここで使うのは、オペノートと呼ぶ四冊めです。
五つ、描き直す。新しい対処のしかたを体と一緒に覚えて、体のしるしを味方につけていきます。これが私、という固定した見方から、まだ知らない可能性がある、という探し方へ。
肩がこわばった日を、姿勢や疲れのせいにして流さなくなります。そこで何が動いたのかを、書きとめられるからです。しるしを消そうとしていた手当てが、しるしを読む作業に置き換わります。