「これさえやれば」を、探し続けてしまう
腸活、玄米、ヨガ、筋トレ、無添加食品へのこだわり、マインドフルネス、ジャーナリング、プロテイン。全部いいものです。どれかひとつが悪いわけではありません。
ただ、「これさえやれば変われる」とひとつだけにすがった瞬間に、多くの方が行き詰まります。忙しい中で「これをやれば大丈夫」という確信が欲しくなるのは、人として自然な反応です。それでも、毎年のように新しい「これさえやれば」が登場し続けていることには、気づいておく価値があります。
ストイックになるほど、楽しくなくなる
腸活を始めると、グルテンを避けるようになる。次に砂糖を断つ。外食が減る。友人との食事が億劫になる。気づいたら、食べることへの不安が増えている。そんな話をよく聞きます。オーガニック食材にこだわるあまり、家族や友人と同じものを食べられなくなった、という話もよく聞きます。
ひとつのことにすがると、それを守るためのルールが増えていきます。そして、そのルールが生活を縛り始めます。本来は楽しく生きるためにやっていたはずのことが、いつの間にか、こなすべきタスクになっている。これは、その健康法が悪いのではありません。ひとつにすがること自体が問題なのです。
心も体も、単独では動いていない
腸の状態は、睡眠の質に影響する場合があります。睡眠は、思考のパターンに関係していることがあります。思考のパターンは、人間関係に影響を与えることがあります。人間関係は、食欲やホルモンバランスに関わってくることがあります。
体、思考、生き方は、別々に存在しているのではなく、お互いに関係し合っています。だから、腸だけ、筋肉だけ、呼吸だけを集中的にケアしても、全体としてのバランスが戻るとは限らないのです。
バランスよく楽しめる人が、結局いちばん近い
健診の結果が良好で、仕事にやりがいがあり、人との繋がりもある。そういう方をよく観察すると、共通点があります。特定の健康法をストイックに守っているわけではなく、腸活もするし、たまには外食も楽しむ。ヨガもするし、友人とビールを飲む日もある。何かに偏りすぎず、ちょっとずついろいろなものを取り入れて、生活を楽しんでいます。完璧な健康を追いかけるのではなく、楽しく生きることを軸に置いている。それが結果として、心も体も本来の状態に近いところにあることが多いのです。
年に一度の健康チェックは、癌の早期発見のためだけにあるのではありません。血液の数値には、いまの自分のコンディションが映っています。異常なしでも、バランスが崩れているサインが見えることがありますし、数値が基準値を少し外れていても、全体として本来の自分でいられていることもあります。数値だけで一喜一憂せず、いまの自分の全体像をつかむ。そして、何かひとつを選ぶことは否定せず、すがるものではなく、生活を豊かにする選択肢のひとつとして楽しむ。
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