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言うことが違うのは、どちらかが間違っているからではありません

体のことで何か所かに相談した結果、答えが割れて動けなくなる場面があります。

公開日:2024年3月27日 / からだのこと

相談するほど、答えが増えていきます

体のことで、いくつかの場所に話を聞きに行く。片方では動かすように言われ、もう片方では休むように言われる。三か所目で聞くと、また別の答えが返ってくる。こういう場面があります。

経営者や医師、リーダーと呼ばれる立場の方から、同じ形の相談が長年続いています。「どの病院や施設に行ったらいいのか分からない」「あの先生はこう言ったが、こちらの先生は違うことを言う」「複数の専門家に相談したが、自分はどうすればいいか結論が出ない」「調べれば調べるほど、動けなくなる」。

これは、判断する側の力の問題ではありません。構造の側の問題です。答えが割れるのには、割れるだけの理由があります。

それぞれが真剣だからこそ、違う答えになります

いま、心身のケアに関わる場所は非常に多くあります。診療所や病院、理学療法。接骨院、整体院、カイロプラクティック。鍼灸、あん摩マッサージ。アロマセラピーやリラクゼーション。ヨガ、ピラティス、筋トレ、コンディショニング。栄養指導や食事療法。カウンセリングやコーチング。

どの専門家も、真剣に研鑽を続けています。誠実でもあります。そして、それぞれの領域から見えている景色が違います。同じ状態を見ても、立っている場所が違えば返ってくる助言は変わってきます。矛盾ではなく、角度の違いです。

抜けているのは、全体を見る側の視点です

問題は専門家の数ではありません。全体を見る人がいないほうです。体だけを見る人、心だけを見る人、特定の部位だけを見る人、特定の技法だけを持つ人。それぞれが縦に分かれて存在しているため、一人の人間をまとめて見る視点が抜け落ちます。

経営者が抱える心身の消耗は、肩こりだけの問題でも、睡眠だけの問題でも、気持ちだけの問題でもありません。医師が経験するバーンアウトも、単なる休息不足では説明がつきません。体と心と生活環境は、つながっています。ひとつだけを切り取って手を打っても、また同じ場所に戻ってくることがあるのは、そのためです。

手元でできることは、三つに分かれます

ひとつ、複数の意見を対立ではなく、並行して届いた情報として並べる。片方が運動を増やすように言い、もう片方が休息を取るように言う。これは矛盾ではなく、異なる角度からの情報です。どちらも正しい可能性があり、状態によって優先順位が変わるだけだからです。

ふたつ、症状ではなく生活全体を書き出す。睡眠、食事、運動、ストレス、人間関係、働き方。特定の症状に焦点を当てる前に、この六つを一枚の紙に並べる。それだけで、どの専門家に何を相談すればよいかが見えてきます。

みっつ、全体を俯瞰して意見をくれる相手を一人確保する。個別の専門家は必要に応じて複数持ったままで、そのうえで一人です。かかりつけ医でも、信頼できる先輩でも、統合的な視点を持つ医師でも、形は問いません。

健診の結果を受け取ったあとは、この三つを置きやすい時期にあたります。指摘された数値だけに目が向きがちですが、なぜその数値になったのかは別に残ります。血圧を例にすると、その背景にはストレス、睡眠、姿勢、食事、運動、感情が絡み合っています。ひとりの専門家に下げ方を聞くことと、全体を俯瞰できる相手となぜ上がっているのかを話すことでは、返ってくる答えの質が変わります。なお、心身の不調が強いときは、かかりつけ医または専門医への相談が先に置かれます。

ここまでが、答えが割れる理由と、その並べ方の話です。ただ、この整理をしたあとにも残るものがあります。材料を足すほど、決まりやすくなるとはかぎりません。相談の言葉の中には、調べれば調べるほど動けなくなる、というものも並んでいます。増えているのは情報のほうで、決められる状態のほうではない。ここで何が起きているのかは、割れた答えの並べ方とは別の問いです。

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※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。