健診のあとに、いちばん多く挙がる相談
健康診断の結果を受け取ったあとの相談で、最も多いもののひとつが血圧に関するものです。多くの方が数値に悩んでおり、日々のストレスや生活習慣がその背景にあると考えられています。
数値が高い状態から急いで抜け出すときは、薬に頼ることが大前提になります。ここで扱うのは、いったん緊急を脱し、メンテナンスの時期にある場合の話、つまり緊張と体の関係のほうです。
感情は、自律神経を通って体に出ます
精神的なストレスや緊張が続くと、体はその影響を自律神経に現しやすくなります。
怒りやイライラが続くと、顔が火照ったり、体が急に熱く感じられたりすることがあります。これは交感神経が優位になっている状態で、血圧が上がりやすい状態でもあります。一方で、悲しみや孤独感に覆われていると、どこか肌寒さや虚弱さを感じやすくなることがあります。これも、交感神経と副交感神経を介した感覚です。
感情の動きは、体の側にこういう形で出ています。
一定のリズムを使っている人たちがいます
副交感神経が優位な、落ち着いた状態を保つために、一定のリズムを使う方法があります。
スポーツの試合中に、NBAの選手やメジャーリーグの選手がガムを噛んでいる姿や、鼻歌を歌っている場面を見ることがあります。これは、緊張が高まる場面でもリラックスを保つための対処法にあたります。選手たちは血圧のことを考えているわけではないでしょうが、深くリラックスした状態が生み出すハイパフォーマンスを目指しているといえます。
日本で貧乏ゆすりと呼ばれる、足を一定のリズムで揺らす動作、つまりシェイキングも、リラックスの方法のひとつに挙げられています。スタンフォード大学病院の医師たちも、カルテを書きながらこの動作をしている姿が多く見られました。一定のリズムを繰り返す動作には、心が落ち着き、副交感神経が優位な側に傾きやすくなる面があると考えられています。ダンス、リズム体操、リズムに合わせたウォーキングも、同じ形の動作です。
心の側と体の側を、別々に置いてから組み合わせます
深いリラックスを日常で保つための考え方として、心のトレーニングと体のトレーニングをそれぞれ独立して行い、日々組み合わせるという置き方があります。
心の側では、瞑想や呼吸法がよく挙がります。ただ、これらは一時的にリラックスするための方法という位置づけになります。カウンセラーやトレーナーとの対話も同じく、対処法のひとつです。そのうえで、ノートに書きながら思考を整えていく進め方が置かれています。
体の側は、加齢や長時間の座り仕事で体が実際に固まっている方、関節に痛みが出ている方に向けたもので、直接身体に働きかけて関節の可動域を広げる体操がここに入ります。硬くなった筋肉や関節に柔軟性を取り戻し、筋骨格系が本来の位置に定着することで、体が深くリラックスした状態でいられる支えになります。
内観で落ち着いた精神面を、柔らかくなった体につなげていく。この循環をつくるときに、瞑想やヨガ、呼吸法、対話が役に立ちます。
ここまでが、緊張が体に出る道筋と、その扱い方の話です。ただ、この道筋が分かったあとに残るものがあります。緊張しているとき、人はたいてい自分が緊張していることに気づいていません。気づいていれば、対処はもう始まっています。渦中にいる自分の状態に、どこを見て気づくのか。これは対処法の話とは、別の問いになります。
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