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ジムにも整骨院にも通っているのに、変わらないとき

続けているのに変わらないとき、足りていないのは量ではなく、全体を見る役のほうかもしれません。

公開日:2025年6月24日 / からだのこと

続けているのに、変わらないとき

ジムに週2回通っている。整骨院にも月4回行っている。ヨガも続けている。それなのに体の調子が上向かない、という話はよく聞きます。

こういうとき、最初に疑われるのは本人の努力の量です。回数が足りない、続け方が甘い、と。ただ、いくつも並行して続いていること自体は、すでにかなり難しいことをやり遂げている状態でもあります。

足りていないのは量ではなく、見えていない視点のほうかもしれません。

ひとつの手段に任せる、という発想

かつて「○○ダイエット」と呼ばれる形が流行しました。これさえすれば健康になれる、という考え方です。場所を動画やSNSに移して、いまも同じ形の情報が流れています。

短い体操をひとつ。食品をひとつ。姿勢をひとつ。それだけで片がつく、という言い方です。ひとつひとつが間違っているわけではありません。ただ、一つの手段だけに頼る考え方は、解決が長引いたり、効果が出にくくなったりする原因になります。

何ヶ月も通って望む成果が出ないなら、何かが足りていない可能性が高い。そして足りていないものは、たいてい二つに分かれます。

心の側と、全体をつなぐ役

ひとつめは、体だけを扱っていることです。強いストレスや悩みを抱えていると、胃の重さ、寝つきの悪さ、だるさ、動悸や息苦しさ、肩や腰のつらさの悪化といった形で、体の側に出てくることは少なくありません。体だけを扱うやり方には、そこで限界が来ます。

ふたつめは、全体をつなぐ役がいないことです。整骨院、整体、整形外科、マッサージ、ジム、ヨガスタジオ。どれも専門的で優れています。ただ、何をどう組み合わせるかを本人が自力で判断しなければならないのが、日本の現実です。

個々の選手が優秀でも、全体を見る監督がいないチームは勝てません。世界には、体の回復と再生を総合的に監督する医師の専門領域があります。PM&R(Physical Medicine and Rehabilitation)と呼ばれ、欧米では広く知られた仕組みです。日本には、この役を担う仕組みがありません。厚生労働省のデータで、男女を問わず訴えの多い症状の一位と二位が肩こりと腰痛のまま25年以上動いていない背景には、この視点の欠如が関わっている、という見方があります。

組み方の例として挙げられるのが、スタンフォード大学スポーツ診療科です。選手一人に対して5〜6名の専門家が連携し、評価と治療を行います。PM&Rの医師が総監督の位置に立ち、整形外科医、理学療法士、ストレングスコーチ、栄養士、スポーツ心理の専門家が並びます。誰か一人に任せることを避けるのが特徴で、患者が自分で選ぶ日本のやり方とは出発点が違います。

自分が全体を見る側に回る

日本にその仕組みがないからといって、打つ手がないわけではありません。自分自身が全体を見る側に回る。これはできます。

たとえば腰のつらさが続いているなら、体の状態、心の状態、環境の三つに分けて書き出してみる。筋力や柔軟性、ストレスや思考、姿勢や机や通勤。多くの場合、原因は三つすべてにまたがっています。

通っている先生に、ほかに何をしているかを伝えるのも同じ働きをします。実はヨガも始めた、ジムでこういう運動をしている。情報が一つに集まると、返ってくる助言の質が上がります。

見直しの期日も、先に決めておけます。効かないと感じたら3か月で一度見直す。同じことを6か月以上続けて変化がないなら、進め方を変える合図と見る。惰性で続けるのは投資ではなく消費だ、という言い方があります。全体を俯瞰して意見をくれる人を一人だけ確保しておく、という手もあります。すべての専門家と関わらなくても成り立ちます。かかりつけ医、信頼できる先輩、統合医療に理解のある医師など、候補は一つに限られていません。

ここまでが、続けているのに変わらないのはなぜか、という問いへの答えです。ただ、期日を決めても、その日に何を見て判断するのかは、まだ決まっていません。効いていないという感覚だけでは、辛抱と惰性の区別がつきません。

見直しの日に、何を見て見分けるのか。これは、全体を見るという話とは別の問いになります。

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※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。