言葉の励ましが、届かない日があります
辛いときや落ち込んでいるとき、言葉だけの励ましは届きにくいことがあります。「頑張って」「大丈夫」。そう言われても、心に入ってこない瞬間があります。励ます側に悪意がなくても、言葉が言葉のまま、表面を滑っていってしまう。そんな日があります。そういうとき、足りていないのは励ましの気持ちではなく、届く形のほうなのかもしれません。
歌という形で届いたもの
受講生Mさんは、アンケートでこう語っています。「病気が発覚しEKO先生から応援歌を送って頂きました。何度も何度も聴いて、そのメッセージに前向きのパワーを頂いています」。Mさんお一人の感想であり、効果を保証するものではありません。
音楽には、メロディや声、繰り返し聴けるという性質があります。こうした要素は、言葉だけでは届きにくいところまで、染み込んでいくことがあります。言葉での励ましが表面を滑ってしまう日にも、歌なら手元に置いて、何度でも戻ってこられます。「何度も何度も」という言い方から、Mさんがその歌をどれほど大切にしていたかが伝わってきます。励ましを、一度きりで終わらせない形が、そこにありました。
型があることと、個別の応じ方は、両立します
初級コースには、決まった型があります。それでも、受講生一人ひとりの状況に合わせた応じ方は、型の外に残してあります。Mさんの場合は、受講中の病気の発覚という予期しない事態に対して、応援歌という形が選ばれました。プログラムの一部として決まっていたものではなく、その人のために考えられた応じ方です。個別の応じ方は、特別扱いということではありません。一人ひとりの物語がそれぞれに違う以上、応じ方もそれぞれに変わる、というだけのことです。
なお、病気や体調そのものについては、医療機関で診てもらうことが何より先に来ます。トレーニングは医療行為ではなく、その代わりにもなりません。
繰り返し戻れる、ということ
Mさんは、受け取ったものを「前向きのパワー」と表現しています。一度きりの励ましではなく、聴くたびに受け取り直せる形であったこと。物理的にそばにいなくても、音という形なら届けられること。この二つが、この出来事の芯にあります。距離があっても支えを形にして届けられるのは、いまの時代ならではの寄り添い方でもあります。
言葉が届かない日に、どんな形なら届くのか。決まった答えを持たずに、その人の状況に合わせて考え続けること。型のあるトレーニングのなかに、そうした余白を残しておくことを大切にしています。支えの形に、決まった正解はありません。その人がいま受け取れる形を探すこと自体が、一人ひとりと向き合うということだと考えています。
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