心配されるのは、集客とスキルですが
医療従事者が副業を始めるとき、多くの方が「集客」や「スキル」を心配します。どうやって人に届けるか。自分の技術は通用するか。準備の時間は、たいていこの二つに向かいます。
でも、意外と見落とされがちなのが「表現」のリスクです。医療の現場で当たり前に使っている言葉が、副業の発信ではリスクになることがある。これは、実際に私自身が経験したことです。
たとえば、元看護師がヘルスコーチとして発信するとき。元理学療法士がボディケアを提供するとき。元薬剤師が栄養カウンセリングを始めるとき。つい、医療現場で使い慣れた表現をそのまま使ってしまいがちです。
現場で正確な言葉が、広告では別の意味を持ちます
具体的には、四つの語が挙げられます。「改善」「解消」「治す」「整える」。
これらの言葉は、医療の文脈では正確な表現です。患者さんの状態を説明するとき、これ以上に的確な言い方はありません。でも、医療ではないサービスの広告で使うと、医療法・薬機法・景品表示法に抵触するリスクがあります。同じ語が、置かれる場所によって別の働きをするということです。
そして「知らなかった」では済まないこともある、というのが現実です。線は出す前に確かめておくことになります。
全ページを見直して、分かったこと
私は医師として医療ではないサービスを提供する中で、自分のウェブサイト全ページの表現を見直した過去があります。
「大丈夫だろう」と思っていた表現が、実はリスクのあるものだった。そういうケースが、想像以上にたくさんありました。驚きと、不安と恐怖と、何十時間もパソコンの前に座り続けました。自分が書いた文章を、自分で疑いながら読み直す作業です。
この経験は、その後に体系化しました。医療従事者や国家資格を持つ人が同じ落とし穴にはまらないように、という趣旨で、全12章にまとめたものです。職種別の具体的なNGとOKの表現、書き換えの例、お客様の声の修正例、そして印刷して使えるチェックリスト。見直すときに開く引き出しは、おおむねこの四つに収まります。個別の判断が要る場面では、弁護士など専門家に確認する形になります。
出す前に、言葉の側から見ておきます
副業の発信を始める前に、あるいは始めた後でも。表現のルールを知っておくことは、長く安全に続けるための土台になります。土台のほうを先に置いておく、という順序です。
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